雑記 其の八

 能の上演曲は季節感が非常に多い。此の秋も「紅葉狩」等があちこちで催されております。
 都民劇場主催の演能でも「紅葉狩」が小書付きで上演されます。「紅葉の舞」「群鬼の伝」と珍しい。シテは金春宗家の金春安明さんで、本年は都民劇場能99回という節目に当り、ワキは能弘がお相手いたします。人数もので仲々賑やかな能で見ものです。

 二月には100回目となり、狂言に野村万作、萬斎さんをお迎えして「二人袴」・能は観世の長老 関根祥六さん、家元 観世清和さんの「鷺」、そして狂言の山本東次郎さんの「福の神」と盛り沢山です。さらに秋には101回目として宝生流家元 宝生和英さんの「安宅」と大曲がつづきます。
 99.100.101回と節目の演能会となり、また各会毎に金春、観世、宝生の家元の御出演となり、華やかな演能会となります。その間に明夏の七月十日(日)には私共の華宝会主催の老女物の大曲「鸚鵡小町」を観世の長老 野村四郎さんに願っております。

 秋から来年に向かって三人の家元の能、長老の大曲と私達の身近は少しばかり大変です。

(さるがくや  折しも変わる  面白さ  過ぎし早さに  我を忘れる)

敦弘